新しい年をむかえ、また一つ、年を取った。
実際の誕生日は先ではあるが。
誕生日まで生きていられるという保証はないので、今のうちに年を取っておく。
病気ではないが、健康というわけでもない。病気でなくても、事件事故もろもろ、人生一寸先は闇、生はあっという間に失われる。
悲観的なわけではなく、明日を頼って今日をおろそかにはしたくないという気持ちでいる。
一日一日を薄氷の上を行くがごとくに生きてきたせいかもしれない。
明日というのは当てにならない。
明日というのは誰にでも訪れるものではない。
先日、久しぶりに両親に会った。
年老いていく両親を目の当たりにして切なくなった、と知人に告げた。
するとその知人は「年老いていける、それはいいことではないか」と返してきた。
なるほど、日々を重ねていけない命もあるものなと思ったのだった。
明日を考えられる人は幸せだ。