徒然なるままにその日暮らし

なんか書いてます

本棚

「イニシエーション・ラブ」乾くるみ

その夏、僕は彼女に出会い、恋に落ちた―― 若い男女の青春、恋愛物語と思いきや、最後から2行目で驚愕の真実が発覚する。 「東西ミステリーベスト100」(文藝春秋、2012年)の「東=国内」編第74位。 以下、ネタばれ注意。 イニシエーション・ラブ …

「慟哭」貫井徳郎

誘われたミスリーディングにまんまとはまってしまった。しかし、悪い気はしない。してやられたなあといったところ。「東西ミステリーベスト100」(文藝春秋、2012年)の「東=国内」編第93位。 【あらすじ】多発する幼女誘拐殺人事件の捜査は難航し…

「禁じられた楽園」恩田陸

ホラーは表現者にとって非常に難しいジャンル。人によって恐怖を感じる対象は異なるからだ。私は虫は平気だが、苦手だ、恐怖を覚えるという人は結構多い。フォビアの域になるが、リンゴのような丸い果実に恐怖を覚える人もいるそうだ。ちなみに、幽霊、妖怪…

「疑惑」松本清張

映画版を先に観て、主演のお二方(桃井かおり、岩下志麻、敬称略)の演技に釘付けになった。映画は「プラス松竹」チャンネルにて配信中とのこと、ぜひ、観ていただきたい。 原作は、松本清張による短編「疑惑」(旧題「昇る足音」)。なお、映画化にあたって…

「Another」綾辻行人

「何かいる」――この気持ち悪い感覚をベースにミステリー風味で仕上げた学園ホラー。主人公「榊原恒一」の一人称で語られる。かなりのボリュームがあり、前半はホラー要素が強めで、後半はミステリー要素が強くなる。一粒で二度おいしい的な作品。 【あらすじ…

「天使の囀り」貴志祐介

気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い・気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い 上記パートを目にして気分が悪くなった方にはお勧めしない作品。ミミズだとかムカ…

「星を継ぐもの」ジェイムズ・P・ホーガン

ミステリーの次によく読むジャンルがSF、サイエンスフィクション。「星を継ぐもの」では、ミステリーとSFが同時に楽しめる。タイトルに「星」とある通り、宇宙を舞台とした作品。 本作品が発表された当時(1980年)に知られていた事実を下敷きに、謎解き…

「打ちのめされるようなすごい小説」

買った記憶がないので、おそらく書店で働いていた時にもらったサンプル本だったのだろう。 この本が私の読書の裾野を十倍にもひろげた。 我ながらこの本を手にした自分を褒めたい。 打ちのめされるようなすごい小説 作者:富岡 幸一郎 飛鳥新社 Amazon タイト…

「書きたい人のためのミステリ入門」

いつか、本格的な長編のミステリを書きたいという野望を抱いている。 横溝正史や江戸川乱歩の世界が好きなので、ミステリと日本独特のどろりとしたコミュニティで起こる殺人事件を書いてみたい。 まずは形から入ろうと、「書きたい人のためのミステリ入門」…

「日本語のレトリック-文章表現の技法」

タイトルに惹かれて手に取った本。 内容はタイトル通り、レトリックについて。 レトリックの種類、文例が30紹介されている。気になるレトリックを目次から拾い読みするもよし。巻末には本書で紹介されたレトリック30種類の簡単な説明がまとめられている…

白は色である

色付きの夢を見る。 夢は記憶の再生だというから、誰の夢も色がついているのだと思っていたがどうもそうでもないらしい。 文字や数字にも色がついている。 本や資料を読む時、字に色がついていると情報過多で脳がパンクするため、普段の生活では文字数字のみ…